身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「礼華、それほどあの人のこと好きなのね」
ゆっくりとお姉ちゃんはそう言うと、小さく息を吐いた。
「そうだね」
俯いてそう答えると、お姉ちゃんが道路の反対側に視線を向けるのがわかった。
「お姉ちゃん?」
私もつられてそちらの方へと視線を向けた。
「その後の言葉は直接言いなさい」
フワリと綺麗な笑顔をお姉ちゃんは私に向けると、私の頭を撫でた。
噓!!
「ちょっと! お姉ちゃん!?」
道路の向こうの小さなカフェ。
その入り口から出てきた人を見て、私は呆然と立ち尽くした。