身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「悠人さん、どうしたんですか? 眠れてる?」
無意識に零れ落ちた私の言葉に、悠人さんの表情が険しくなった。
いつも優しくて、笑顔の悠人さんの初めて見るその顔に私はビクリと肩を揺らした。
「眠れるわけないだろ? 礼華がいないんだから!」
その言葉に私はびっくりして悠人さんをみた。
「礼華、礼華……。もう俺はいらない?」
ゆっくりと言われた言葉の意味が解らない。
「どういう意味ですか? 私は悠人さんの迷惑にしかならない……」
そこまで言ったところで、悠人さんが言葉を挟んだ。
「迷惑なわけないだろ。こんなに礼華のことが好きなのに……」
絞り出すように言われたその言葉を、私はゆっくりと繰り返した。
「私のことが……すき?」