身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~


「礼華……。本当に頼むよ……そんな大切なことまで言わずにいようとしていたなんて……」
そっと下におろされて力いっぱい抱きしめられる。
今度ははっきりとわかるぐらい、悠人さんの声は震えていた。
泣いている? 
そう思うぐらいに最後の方は小さな声だった。
「悠人さん……」
しばらく無言で抱きしめられた後、まっすぐな力強い悠人さんの視線とぶつかる。

「礼華も、生まれてくる子供も誰にも渡さない。一生俺が守るから。もう絶対に俺から離れるな」

その言葉から、どれだけ自分とそしてこの子を大切に思っていてくれているかが、痛いほど伝わる。

朝とは違う、嬉しくて、幸せでな涙が頬を伝う。

「はい。一生離れません」
私の言葉に悠人さんはそっと優しく甘いキスをくれた。
そして私のお腹に手を置いくと、「パパだぞ」と嬉しそうな笑顔を向ける。
そんな悠人さんに、私の心は陽だまりのように暖かな気持ちでいっぱいになった。



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