身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「想像したより、ずっと親しみやすかったのが嬉しかった」
弁護士で、頭も良くてそれなのに、親しみやすい。そう言うことかもしれない。

でも大前提として、一流大学を卒業して、弁護士の肩書がこの人のお見合い相手には必要だろう。
これ以上騙していいわけない。

そう思うも、なぜか優しく微笑んでくれるのが嬉しくて、私はなにも言いだすことはできなかった。
大村さんの言った通り、本当にパスタも、ピザもすべてが絶品だった。

「悠人」
食後のデザートとコーヒーを堪能していたところで、大村さんを名前で呼ぶ声がしてその方をみた。
白のコックコートがとてもよく似合う、少し日焼けしたその人は私たちのテーブルに歩いてくると、私に頭を下げた。

「こっち、俺の高校時代の悪友で、この店のオーナーの間瀬久樹」
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