身代わり婚～偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています～
それを断らなかった時点で、確かにそうなのかもしれない。
私はグルグルと定まらない思考に、パニック寸前だった。

「まあ、そう言うことだよ。久樹だからもう一つデザート持っていて」
どういうことなのだろう？
全く私には理解できなかったが、間瀬さんは「ハイハイ、そういうことね」と納得したようで、キッチンへと戻っていた。

「あの、大村さん」
何を言っていいのかわからなかったが、呼びかけた私に大村さんは話を変える。
「デザートもう一つ食べれるよね？　プリンが絶品だから」
私は何も言うことができず、小さく頷いた。

そのあと少しだけ、まわりのスポットを見たあと、きちっり夜には自宅に送ってくれた。
「また、会える？」
別れ際に言われたそのセリフに私は、断らないといけないと頭の中で警告音が聞こえた。
「はい」
しかしそれに反して私の口から零れ落ちたのは、肯定する言葉だった。
これからどうしようそう思うも、もう少しこの人を知りたい。そんなことを思った自分が嫌になった。
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