身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「おかえり、礼華」
珍しく日曜日に実家に帰ってきているお姉ちゃんに私はため息が漏れる。
「ただいま。お姉ちゃん来てたんだ」
「そう、久しぶりにお母さんの手料理食べたくなっちゃって。それに……」
ひとり暮らしで忙しくしているお姉ちゃんはめったに実家に帰ってこない。
しかし、今回ばかりは多少気にはしてるのだろう。
「なに?」
「礼華、本当にごめん。でも私自分の人生を決められたり、人に言われたりするのはちょっと」
「私はいいていうの?」
「まさか代わりに礼華がいくなんて思ってるわけないでしょ?」
さほど悪いと思っていなさそうなお姉ちゃんにイラっとする。
「どうするつもりよ?」
「どうって?」
リビングに向かって歩くお姉ちゃんに問いかけると、不思議そうな視線を向けられる。