身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「このまま騙せるわけないじゃない」
「まあ、そうよね。相手は私って思っているんだもんね。でもどうだったの? 今日のデート。お坊ちゃまは退屈じゃなかった? こんな早い時間に帰って来るなんて」
「そんなことない」
食い気味に言ってしまった私に、お姉ちゃんはポカンとした表情を見せる。
「ふーん。そっか。楽しかったんだ」
「そんなことは言ってない!あんなにいい人をと騙していると思うと……」
その通りだ。私達姉妹の勝手で大村さんを騙している事実を改めて思い知る。