身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
スペックもさることながら、180cmはあるだろう身長に、濃いブラウンの髪は清潔に整えられていて、さらには誰もが振り返るだろう整った外見をしている。メガネの奥の切れ長の二重の瞳は優しそうで性格も問題なく見えた。

どうして?
こんな人がお見合いを?
お見合いなど無縁そうに見えるその人を、私はジッと見据えた。

「彩音さん」
彩音ってだれよ……!私だ!

「はい!」
叔母の声に、慌てていった私は目の前のお茶をこぼしそうになり、慌てて体制を立て直す。

やっちゃった……。
さすがに仕方なくこの場にいた私だったが、いたたまれなくなり俯いた。

「本当に、本当は……」
さすがの叔母も繕うことが出来なくなったのだろう、言葉を濁した。

これもそれもお姉ちゃんのせい!
< 5 / 183 >

この作品をシェア

pagetop