身代わり婚～偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています～

いつものスーツではなく、ブラックのパンツに白のセーターというラフな格好がとてつもなく似合っていた。

このまま切り取って写真集にでもなりそうなその光景に、私はため息がでる。
どうして私はこんな人と一緒にいるのだろう？
そうは思うも私はキッチンへと向かい、冷蔵庫を開ける。

「簡単になりますがこのパン食べちゃいましょう？」
おいしそうな食パンをみつけ、トースターに入れ、サラダを簡単に作る。
「卵は好きな焼き方ありますか？」
「目玉焼き」
意外にも普通の答えが返ってきて、私はキョトンと大村さんを見る。

「どうした？」
そんな私に視線を向けると、今度は大村さんが不思議そうな表情を浮かべている。

「いや、なんか、チーズいりオムレツ？とかおしゃれな物を言われたらどうしようかなと思ってました」