身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
私は恥を掻きに来たような状況に、怒りがこみ上げる。

そう、当たり前だが私のような平凡な人間が、こんなハイスペックな人とお見合いなどする訳がなかった。

持田礼華 25歳、どこにでもいる平凡な会社員だ。
容姿も、学歴もすべて平凡。どこにでもいそうなその辺の人間だ。

それに反して姉の彩音28歳は、容姿端麗と言う言葉はお姉ちゃんの為にあるのではないかと思うぐらい完璧な人だ。仕事も弁護士をしている。
大村さんのお父様の会社の弁護士さんのつながりか何かで、どうしてもときた縁談だと聞いている。
大手の取引でどうしても断れないとお姉ちゃんを説得していたのを、私は他人事のように見ていた。

しかし、乗り気でなかったお姉ちゃんは、仕事を理由に当日逃げたのだ。

そして私は、日曜の幸せなから微睡から起こされ、美容院に叩き込まれた。
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