身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
『相手はまだ写真でしか彩音を見ていないから、なんとかなる!どうせ断る縁談だが、行くだけ行かないと顔が立たない!』
そんなむちゃくちゃな両親、叔母の説得?脅迫によって今私はこの場にいる訳で……。


真っ赤な振袖を着せられ、胸は苦しいし、これでもかと髪を盛られ花まで飾られている。
これじゃあ七五三じゃない……。
そんなことを言ってもどうにもならないが、姉の代わりなど到底務まるわけがない。

私はなんとかこのまま向こうから断ってくれることを祈りつつ、ぼろが出ないようにするのに必死だった。

「では、これで」
母の姉である叔母が一番この玉の輿の縁談に乗り気だったが、さすがにもう無理だと悟ったのか、終わりの言葉に私はホッと息をつく。


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