身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
そしてそのままゆっくりとキスをされる。
拒否することもできたのかもしれないが、私はゆっくりと目を閉じた。

何……この甘い時間。
昨日、きっと私がだんだんと悠人さんに好意を持っていることは気づかれたのだろう。

キスを終えると、当たり前のように、悠人さんは私を抱きしめる。
「ようやく俺に気を許してくれるようになって嬉しいな」

「嬉しいですか?」
私だけの気持ちじゃない?悠人さんは私をどう思ってる?
それを聞く勇気はなくて、私は遠回しに悠人さんに尋ねると、腕の中から悠人さんを見上げる。

「嬉しいよ。その顔、誰にも見せたくない」
私はどんな顔してるの?
自分ではわからないし、独占欲のような言葉に私の頭は混乱する。
そんな私の気持ちを知ってか、知らずか、悠人さんはもう一度私に口づける。
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