身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
「来て数カ月で、もう玉の輿狙いの秘書やら受付やら、女子社員にすごい人気。まあ、あの大村グループの御曹司だし、クールで笑ったところもみたことないし、そうやすやすと声を掛けたり狙う女はいないけど……。あっ、一人いるか」
「だれ?」
私の問いに、明日香は特に不思議がる様子もなく答える。
「私の秘書課の先輩の更科薫子さん」
更科さん……。あのきれいで日本人形みたいな人……。
明日香の話に聞き入っているも、エレベーターが到着し、私は流されるように乗り込む。
「また今度話そう」
明日香のその声を、どこか上の空で聞いていた。
同じ会社だったなんて……どうしよう。どうしよう。
その事ばかりが頭を廻った。
仕事を始めても、まともに頭が働かず、何度も入力をミスしてしまい私は手を止めた。
こんな末端の私など、気づかれないかもしれない。この数カ月同じ場所に出勤していたにも関わらず、会ったのはこれが初めてだ。
それでも今同じ場所にいることで、私は急速に追い込まれていった。
「だれ?」
私の問いに、明日香は特に不思議がる様子もなく答える。
「私の秘書課の先輩の更科薫子さん」
更科さん……。あのきれいで日本人形みたいな人……。
明日香の話に聞き入っているも、エレベーターが到着し、私は流されるように乗り込む。
「また今度話そう」
明日香のその声を、どこか上の空で聞いていた。
同じ会社だったなんて……どうしよう。どうしよう。
その事ばかりが頭を廻った。
仕事を始めても、まともに頭が働かず、何度も入力をミスしてしまい私は手を止めた。
こんな末端の私など、気づかれないかもしれない。この数カ月同じ場所に出勤していたにも関わらず、会ったのはこれが初めてだ。
それでも今同じ場所にいることで、私は急速に追い込まれていった。