身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~

なんとかお見送りまですると、私は畳の上に膝を投げ出した。

「終わった……」

大きく息を吐いていった私に、叔母も両親もため息をつく。

「やっぱり礼華には荷が重かったか……」
父の言葉に、私はキッとみんなを睨みつけた。

「そんなこと言われなくない!無理やり私の休日を奪ったのは誰よ!」
怒り心頭の私を見て、両親は小さくうなだれる。

「仕方ないだろ……彩音が……」

「まあ、先方から断って来るでしょ。ああ、終わった終わった」
母ののんきな言葉に、私は諦めに似た気持ちで、ミッション終了と心で呟いた。

しかし、わが家の予想を大きく裏切って、『このお見合いを続けたい』そう連絡が来たのは、お見合いの日から1週間後のことだった。
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