見ツケテ…
異変に気が付いていたサッカー部の部員たちが、どこからかニッパーを持って来てくれた。


知樹がそれを受けとり、チェーンに引っかける。


皮膚にギチギチに食い込んでいるため、一緒に切ってしまいそうだ。


しかし……。


「ダメだ! 切れない!」


知樹の頬に汗が流れた。


「貸してくれ!」


直弘が後退してチェーンを切ろうとする。


しかし、結果は同じだった。


館下先生が行っていた通り、なにをしてもこのチェーンは切れないのだ。
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