見ツケテ…
「好きなんだ?」


「……まぁ、嫌いじゃないかな」


今までずっと友達としてはしゃぎあってきた相手だからか、美奈はそっぽを向いてそんな返事をした。


自分自身でまだ認められていないのかもしれない。


「直弘っていいヤツだよね。ムードメーカーだし」


「うん、そうだね」


「意外と気が利いて、優しいし」


「うん」


「美奈とお似合いだと思うよ?」


最後の言葉に美奈は返事をしなかった。


代わりに耳まで真っ赤になって、「やめてよ」とあたしの肩を叩いてきた。


「恵梨佳はどうするの?」


2人で買い物を終えて近くのカフェに入ったとき美奈がそう聞いて来た。


「え?」


あたしは注文したミルクティーをひと口飲んで美奈を見つめる。


「知樹のこと」


「あぁ……」


あたしはそこまで言って言葉を切った。
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