見ツケテ…
……まさか、警告じゃないよね?


玄関から出る前に、ふとそんな事を考えた。


あの夢は予知夢で、早く解決しないと同じ事になるという警告かもしれないと思ってしまったのだ。


「そんなこと、あるはずない……!」


自分に言い聞かせるように、口に出して言う。


だけど体の震えは止まらなかった。


このままだと自分たちの両親にまで危害が加わるんじゃないか?


そんな不安は、学校へ到着するまでの間にどんどん増大して行った。


「恵梨佳!」


昇降口で名前を呼ばれて、あたしは小さく息を飲んだ。


ちょっと、ボーっとしてしまっていた。


振り向くと、そこには美奈が走ってやってくるところだった。
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