見ツケテ…
すぐに美奈の顔色が悪いことに気が付いた。


「美奈、どうしたの?」


「恵梨佳こそ、なにかあった?」


追いついた美奈にそう聞かれて、あたしは「え?」と、首を傾げた。


「恵梨佳、顔色が悪いよ?」


そう言われて自分の頬を両手で包み込んだ。


シャワーを浴びて少しは気分が変わったと思っていたけれど、さすがに顔に出ていたみたいだ。


「ちょっと、悪い夢を見たの」


あたしは靴を履き替えながら返事をした。


できれば思い出したくない。


「恵梨佳もなの?」


「それ、どういう意味?」


あたしは驚いて美奈を見た。


「実は今日、あたしも夢を見たの」

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