見ツケテ…
その通りだけれど、そのためには一連の出来事で被害届を出したりする必要があって、かなり時間がかかってしまうだろう。


「先生が助言できるのはここまでよ。本気で犯人を捕まえたいのなら、方法はあるってことだけ」


保険の先生はそう言って大きく息を吐きだした。


あたしたち4人は顔を見合わせた。


「どうする?」


美奈が恐る恐ると言った様子で誰とはなしに聞く。


「やれることは全部やってみよう」


そう言ったのは知樹だった。


知樹の表情は真剣だ。


「館下先生が拘束されれば、邪魔して来る人間が減る事は確かだもんな」


直弘も頷いている。


「警察に相談するとしても、館下先生に話は聞かないとダメだよ?」


あたしは2人の横からそう言った。


館下先生から話が聞けなくなってしまったら、本末店頭だ。


「わかってる。先生、ありがとうございました」


知樹にはまだなにか考えがあるようだった。
< 161 / 210 >

この作品をシェア

pagetop