見ツケテ…
☆☆☆

それから一通りショッピングモールを見て回ったあたしたちは、すっかり疲れてしまっていた。


西日本で最大級ということで、さすがに広い。


そして人の多さに疲弊してしまった。


「どこかでお昼を食べたいけど、この人じゃどこのレストランも入れないね」


美奈が周囲を見回して言った。


レストランもカフェも、外に行列ができている状態だ。


2階にあるフードコートにも行ってみたけれどテーブルは空いていなかった。


仕方なくショッピングモールから出て、隣接しているカレー屋に入る事になった。


お昼時だし、ここも沢山のお客さんで賑わっている。


あたしたちはひとつだけ空いていた4人席に座ることができた。


「ふぅ……疲れた」


直弘が行きたいと言っていた雑貨屋で大きなぬいぐるみを買った美奈が、息を吐きだした。


「こういう大きなものは最後に買うべきだったな」


直弘が笑いながら言う。


けれどとても楽しそうだ。
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