見ツケテ…
キス
まさか、知樹と2人きりになれるなんて思っていなかった。


「送り狼になるなよ!」


カレー屋を出たところで直弘が知樹の肩をバシバシと叩きながら言った。


「お前の方だろ!」


知樹は照れたように言い返して直弘と美奈に背を向けた。


あたしと知樹が2人で歩き出してすぐに、スマホが鳴った。


確認してみると、それは美奈からのメッセージだった。


《美奈:知樹とどうなったか、後で報告してね!》


その文面を確認し、すぐにスマホをしまった。


知樹に見られたら怒られてしまうかもしれない。


「ごめんね、せっかくみんなで遊んでたのに」


「別にいいよ。俺も疲れてたし」


2人でバス停まで歩いて来て、ベンチに座る。


こうしているだけであたしの心臓はドキドキしっぱなしだ。

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