見ツケテ…
練習
放課後、あたしは1人でこっそりグラウンドへとやってきていた。


グラウンドではサッカー部や陸上部がウォーミングアップをしている。


その中に知樹の姿を見つけてあたしは自然とほほ笑んでいた。


声をかけようかと悩んだが、やっぱり邪魔になると思い、グラウンドの隅で見学させてもらうだけにしておいた。


「畠山、今日調子がよさそうだな」


知樹に声をかけたのは、顧問の館下先生だった。


小豆色のジャージを着ていても筋肉質な体型は隠しきれていない。


館下先生からなにか指導を受けている知樹はとても真剣に話を聞いている。


その姿は教室では見られないので、いつも以上に胸の奥がキュンキュンしてきた。


その後館下先生が知樹から離れた時、館下先生の首元に光るものが見えた。


ネックレスに見えるけれど、それにしてはチェーンが短いようだ。


館下先生も走ったりするから、できるだけチェーンを短くしているのかもしれない。


「どうした真柴、またこっそり見学か？」

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