見ツケテ…
倉庫へ向かおうとしていた館下先生があたしに気が付いて声をかけてきた。
一般の生徒の名前はほとんど覚えていないそうだけど、あたしはこっそりサッカー部の見学に来ているので覚えられていた。
「はい。あ、ここにいたら邪魔ですか?」
「いや、大丈夫だよ。そろそろ堂々と見学したらどうだ?」
そう言われたけれど、あたしは左右に首を振った。
サッカー部のファンの中には遠慮せずに黄色い悲鳴を上げる子もいる。
でも、その声援が邪魔になるときがあることを、あたしは知っていた。
特にPKになったときに集中力を切らすような音がすると、失敗してしまうかもしれないのだ。
「あたしはここでいいです。それより先生、そのネックレス不思議な形ですね」
あたしは丁度目の高さにあるネックレスを見てそう言った。
シルバーのチェーンには指輪が通してあるのだけれど、グネグネと蛇がのたうち回っているようなデザインになっている。
男性が好みそうなデザインだけれど蛇の目にはルビーがはめ込まれているし、パッと見たら蛇だともわからない。
オシャレなものだった。
「そうか? ありがとう」
館下先生は微かに笑みを浮かべ、倉庫へと向かったのだった。
一般の生徒の名前はほとんど覚えていないそうだけど、あたしはこっそりサッカー部の見学に来ているので覚えられていた。
「はい。あ、ここにいたら邪魔ですか?」
「いや、大丈夫だよ。そろそろ堂々と見学したらどうだ?」
そう言われたけれど、あたしは左右に首を振った。
サッカー部のファンの中には遠慮せずに黄色い悲鳴を上げる子もいる。
でも、その声援が邪魔になるときがあることを、あたしは知っていた。
特にPKになったときに集中力を切らすような音がすると、失敗してしまうかもしれないのだ。
「あたしはここでいいです。それより先生、そのネックレス不思議な形ですね」
あたしは丁度目の高さにあるネックレスを見てそう言った。
シルバーのチェーンには指輪が通してあるのだけれど、グネグネと蛇がのたうち回っているようなデザインになっている。
男性が好みそうなデザインだけれど蛇の目にはルビーがはめ込まれているし、パッと見たら蛇だともわからない。
オシャレなものだった。
「そうか? ありがとう」
館下先生は微かに笑みを浮かべ、倉庫へと向かったのだった。