見ツケテ…
☆☆☆

ゲームセンターから出ても、あたしたちの気分がすぐれなかった。


気分転換のために遊びにきたはずなのに、逆効果だ。


「2人とも大丈夫か?」


知樹が心配して声をかけてくれる。


「うん……」


そう返事をしたものの、元気は出なかった。


さっきトイレで見たものはなんだったんだろう?


あたしと美奈にしか見えない幻覚だったんだろうか?


それにしてはリアルだった。


濁った水の、臭い匂いはまだ鼻の奥にこびりついて離れない。


「なぁ、もう1度写真を撮ってみないか?」


立ちどまってそう言ったのは直弘だった。


「写真?」


美奈が聞き返す。


「うん。教室で撮影したときにも、ちょっと変なものが写ってただろ? もしもあれが光の反射とかじゃなかったら……」


直弘はそこまで言って口を閉じた。
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