愛され秘書の結婚事情
突如、和やかな空気を醸した佐々田家で、しかし悠臣だけは厳しい顔つきでいた。
彼はそこで、「親子の和解が成立したところで、もう一つお話があります」と切り出した。
「竜巳君」
彼はいきなり、未来の弟に顔を向けた。
「君はこの家の当主になる気はあるのかい」
「えっ!」
「君が継ぐ気がないのなら、僕が佐々田の養子に入り当主になる」
「「「「え!!!!」」」」
その場にいた全員が一斉に驚く中、悠臣は竜巳の顔だけを見て続けた。