愛され秘書の結婚事情

「だからぁ。好きになったらプロポーズ受ければいいし、やっぱ無理って感じだったら、それはまたその時に考えればいいじゃない」

「そんないい加減な……」

「いい加減じゃないよ。自分に正直になるだけ。どうせプロポーズ断ったら、今の会社にはいられなくなるんだし。その時に改めて、田舎に帰るか転職するか決めればいいじゃん」

「それって単に、問題を先延ばしにしているだけじゃないの」

「先延ばしに出来るならそれが一番じゃん。だって私まだ、この街にいたいもん。今の仕事好きだもん。そのための努力をして何が悪いのさ」

「…………」
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