悪役令嬢になりきれませんの。
赤字経営の令嬢
冬になりました。私の提案したビニールハウスのような何か。は無事成果を出せ。わたしがののしった約半数の人は魔石契約を結んでくださいました。いやぁー。19しか無かった我が領土の畑は30、40とふえ、数日で収穫できる野菜がザックザックそして、農民たちのお給金もザックザクと溢れかえる勢いで我が領が潤いに満ちています。えぇ、約半数ですがね?
残りの約半数はどうなったかって?それはね、私とカナルの警告を無視し、端っこに置きっぱだったり、その魔石を使わなかったりで成果が出せず……冬をこせるかどうか……なんてしんぱいすることも無く。我が領土の庶民はみんな心優しい人ばかりで野菜を分けたりして支え合っているのを知って感動した。
そんなある日のこと……いつものようにアルベと小川で最近、領が潤ってますなぁーって話して帰ってきて、部屋で次に料理長に作ってもらうお菓子でも考えようかと思い、父の書斎の前を通ろうとした時……カナルと父の声が聞こえてくる……いけないことと知りながら、ついつい好奇心で立ち止まり聞いてしまう……
「カナル……私はこんなに豊作になると思わず、秋に冬の分の税をお金で支払ってしまったのだよ……」
「そうですね……不作は我が領の悩みの種、でしたからね……お嬢様が【豊作の神の庇護】をお作りになる前までは……野菜で許されている我が領の野菜のかわりに資金で支払ってしまいましたね……だんな様……」
「そうなのだ……だから、いま、我が領は……赤字経営だ……どうしたら良いだろうか……カナル……」
な、なんか深刻な話しですね。お父様……そんな話を部屋の扉を開けっぱにして話さないでくださいませ……ですが、このままでは……この領土を国王陛下にお返ししなければならなくなる……そしたら、私だけではなく……お父様達も途方に暮れてしまう……
それはいかん!!私がヒロインに断罪され途方に暮れるのは良い。だが、両親まで家を無くすのはけしからん!!そうと決まれば私の腕をふるって差し上げましょう!!いざ!出陣!!
えんやぁーー!!!なんて、心の中で叫びながら敵陣に攻め込む勢いでラルラを連れてお母様の部屋に駆け込んだ……
駆け込んだ私を驚きながらもソファーに座らせてもらって、お茶をしながら今日何して遊んだかを少しだけ話し、お母様の部屋に尋ねてきた目的を聞き出す。
「お母様……お母様はなぜネックレスだけなのですか?」
「シャルネラちゃん?ネックレス以外に何かありますか?あぁ、ありましたわね……確か……10年前にお父様に頂いた髪飾りがありましたわね……」
「…………」
なに?なになになに?ネックレスと髪飾りしかないの?ってか……半年ぐらい前からラルラと町に出てるけど、市場でも見たことないな……
「お母様……例えば、耳につけたり……」
「耳に?どうやってつけるのですか?」
「んー。こう、小さい針でさしたり?」
なんて言った私にお母様の顔が真っ青になり、ガタガタ震えながらも私の肩を掴み左右前後に揺すり我を忘れるお母様。私は不思議に思いどうしたんですか?と聞けば、体の一部を傷つけるなど……あってわならないことですわよ!!って怒られ……変な気を起こさないでね!!と、泣きつかれ……何とか落ち着かせて私は自分の部屋に戻った…
自分の部屋に戻り、ペンと紙を持ってきてもらう……耳に穴を開けるのが禁止なら、挟めばいい!!と、イアリングを紙に書くが……絵心無しの私の絵は何が何かわからない出来上がりとなった……
「お嬢様……落ち込まないでくださいませ……そうですわ!私がお嬢様に変わって描きますので説明頂けますか?特徴とか……使い方とか」
そんなラルラに私は抱きつきながらもイアリングのことを説明した……ラルラ……私に抱きつかれながらも私の説明でよくかけたな……って思った……デザート革命の時みたいに。あれで、こうで、そうで、パチって、と説明し、絵ができあがるまで約二時間……
~令嬢とラルラの会話~
【えっとねぇー!パチって耳に挟んだりつけたりして……シャラシャラーって感じで綺麗で……キラキラしたもの……】
【……………?】
【ご、ごめんね、説明が下手で……ほんとごめんね……】
【いいえ、お嬢様……説明されて理解できなかった私が悪いのです……だからどうか……ラルラをぼくさつし【あぁーーー!!ほらほら、書いて書いて!!私、説明頑張るから!!】