悪役令嬢になりきれませんの。
イアリングを作る令嬢
数日後、私とお母様の目の前に置かれているのはこの世界にはなかったイアリング。この前、ラルラと密かに作っていたイアリングを何故かカナルもまじり、3人で制作しようという話になっていたのだが……そこにお母様がいらして、4人で作ることに……
だが、しかし……
次の日に作る時に必要な材料を相談しに母の部屋を訪ねてみれば、なぜか、我が家専属の仕立て屋さんとデザイナーさん、メイド長がいて……ラルラに描いてもらったイアリングの絵をまじまじ見ていたのだ……
それを見て固まっている母は仕立て屋さん達に、私の娘が考えたんですのよ!と自慢げに話したかと思えば、食べられそうな勢いで、もっと詳しく!!と根掘り葉掘り聞かれ……出来上がったのが今日……
「シャルネラ様。こちらが仰っていた品物です。形や大きさ、このくらいでよろしいですか?」
「……えぇ。色や形……全てが理想の形です。」
「良かったです……ところで、シャルネラ様、このイヤリングともうされる耳飾りを私の店で作り、売ってはいけませんでしょうか?」
なんて言った仕立て屋さんに母が首を横に振る……まだ早いわ。って……何が早いか分からないけど。なんて思いながらも仕立て屋さんとデザイナーさんとメイド長とコソコソ話すお母様を見ていれば、2人は何故かキラキラしたような目で私を見ているメイド長はメイド長で何かを決めたような顔で部屋から出ていく……そうかと思えば、2人立ち上がり、その時はよろしくお願いします。と言って帰っていった……
「お母様?その時とは?」
「いい?シャルネラちゃん。私はこれをつけて今度開かれるお茶会に参加します。王妃様にじまん……いえ、見せてきますわね!!」
なんて、張り切るお母様……自慢?なんて不思議に思いながらも、今回はなんにもお父様の役に立てなかったな……なんて、落ち込みながらも自分の部屋に戻ったのだった。
そのよる、またもや突然メイド長の座が譲られ、メイド長、リリー・スラベルが我が家を去った。