悪役令嬢になりきれませんの。
視察?する令嬢
予定通り……今日、私が提案したというカフェと洋服屋に行くことになり、両親と共に自家用馬車に乗って移動している……まず初めに向かったのは……私の経営しているカフェ……ではなく、カフェの売上金の十のうち三を寄付して、建てたという……孤児院の【シャル】に来ていた。
「あの、お父様?カナルが経営していると言うお店全てに私の名前がかすっているのは気のせいでしょうか?」
「何を言ってるんだい?気のせいどころか……お父様とお母様は自慢の娘のシャルネラを世間に自慢するためにシャルネラの名前を広めているのだから当たり前だよ?そうだ!今度、シャルネラ商会を作ろうか。孤児院、カフェ、洋服店、道具屋。一つにまとめた方がやりやすいだろう?」
「お母様は、可愛いシャルネラちゃんを世間に自慢するのは危険で嫌だと言ったのだけど……可愛い子には旅をさせよって言葉があるでしょ?だから、旅をさせてるのよ?これも、可愛いシャルネラちゃんのため……」
「お父様、お母様……可愛い娘を旅させるんじゃなく、可愛い娘の名前を先に旅立たせているような気がするのですが……」
なんて言った私に、何故か【シャル】から、カナルと綺麗な女の人が出てくる。女の人は私を見た瞬間、地面に膝をつけお祈りポーズ……
「貴女様が身寄りのない子供たちを救ってくださった女神……シャルネラさまですね。だんな様……いえ、カナルからは良く話をお伺いしております。あなたに会えるこの日を待ち望んで降りました。」
「え、いやいやいや。おかしいよ!?女神って何!?だんな様!?カナルの奥さん!?え!?」
パニックになってる私を他所に、院から子供達が沢山出てきて、女の人の背後で私を見て同じように祈り始める……とりあえず、この場にいる人達に助けを求めてもダメだと判断した私はこの場をどうにか落ち着かせて、院の中に入ったのだった……
…………
院の中に入った私は驚いた……とても綺麗で……何故か入ってすぐの壁に私の絵が30倍にも美化されてでかでかと飾られていて、その絵に祈る子供たちが数人……
「申し遅れました……私はカナルの妻、ハラと申します。この度は私のようなものにたくさんの子供たちを授けて下さってありがとうございました。」
「え、いえ……私は何も……」
現に、この院のことは初めて聞いたからね?なんて、カナルを見て考えていれば、ハラさんは涙ぐみながらもそんなことはございません。なんて、言う……
ハラさんはハラハラと涙を流し…………違うよ。ダジャレじゃないからね!?……えっと、ハラハラと涙を流し、それをハンカチで拭いながらも、この院ができるまでの話をしてくれる……
どうやら、私の店?の洋服屋ができてから少しして、カナルに聞かれた店の売上のこと……私は、働いてもらってる人に十分なお給金を渡してるなら、残りはお母様と相談して決めてください。と言ったのだ……それに【何に使ってもよろしいのですか?】と聞かれ私は【うん。でも、領土に役立つことに使って欲しいな……】なんて言った……行ったのだが……まさか、こんなに役に立てるほどのお金が残っているとは思わなかった……十のうちの三で……子供達を助けれるものなのか……と。
そう考えていた私にずっと私達の後ろを気配を消して着いて歩いていたラルラが耳打ちして教えてくれる……
「お嬢様……お嬢様のお店2店舗の売上金をざっと数えましたところ……金板が100個ほどの計算でして……」
「え!?せ、千万!?大金すぎ!なにそれ、なんでそんなに売れてんの!?ってか、売上金の三で申し訳なく思います」
と、とりあえず……役に立てて良かったと思います?はい…………
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この世界のお金の計算。
金板、一枚で(日本円にし100000)
銀板、50000
銅板、10000
上は主に貴族が持っている
下は主に社民が持っている。
金貨、1000
銀貨、500
銅貨、100
その他にクレジットカードみたいなもの。
金カード(貴族が持ってる)
銅カード(庶民でも、貴族には届かない金持ちが持ってる。)