悪役令嬢になりきれませんの。
もうすぐ舞踏会ですわ。令嬢
へいへいへい!!入学式(のイベント)が終わって何ヶ月か過ぎ、友達が1人出来ました。マネラルちゃんと言って、カーラルン子爵令嬢でね、青に近い綺麗な緑色の腰上までの緩いカーブの髪で瞳は綺麗な緑!!可愛いもの好きで【シャルフィー】のお得意様なの!!気が弱くよく一人で行動している所を声かければ仲良くなれて……仲良くなって教えてくれた秘密が……人間観察するのが好き!っていう秘密。独特な秘密を話す可愛いマネラルちゃん!!私は一気に落ちた。
それにしても、なぜ、お友達が1人かなんだって?それはね……今や学園中でとある噂が広まっているからなのだ……
「あ、ねぇ……例のとある男爵令嬢を〖いじめている〗って噂の伯爵令嬢よ……」
「ほんと!私、とある男爵令嬢より、あの伯爵令嬢の方が好きですわ。ファンなの、だって、あのティアラとかいう女……単なる媚び売ってるだけじゃないの……」
「わかるわかる。私もマルフィード伯爵令嬢の方が好きなの。それに、ティアラとかいう令嬢、子豚じゃない……」
「ちょ、シッ!!男爵令嬢に聞かれちゃうわよ!」
「聞かれたらまた、お猿さんみたいにキーキー喚くわねぇ……」
「あのクズ王子……王太子殿下に告げ口されて、家を潰されちゃうわ!」
なんて、陰口じゃない陰口が聞こえてくる。しかしなんだ……悪役令嬢がヒロインをいじめている。と言う〖 噂 〗は物語のままだが……私は何もしていないし……私は周りから嫌われていない。逆にファンまでいるのだが……なんて思っていれば、私の隣に人影ができてそちらを見ればマネラルちゃんがいた。
「おはようございます。シャルネラ。今日も派手に目立っておりますわね。」
「おはようございます。マネラル。私、悪役令嬢になりたいのですが……」
「え、無理ですわね。諦めた方がよろしいかと思いますわ。それより、ご存知?近々学園でパーティーが開かれるとか……」
なんて、チラチラと視線を浴びながらもマネラルと教室に向かいながらも話をしていると、そんなことを言ってくる。
「そうなんですか?知らなかった。」
「……私、パーティーとか、人が多いの嫌いですの。それに、パーティーはとにかくカカトを高くしなければいけないという女独特の決まり事が嫌なんですの。フラフラしてコケてしまいそう……なぜあれでダンスなんか踊るんでしょうね。女は。」
「カカトが高いの嫌いなの?そうだよね……分かるよ。よくわかっ!!そうだよ!!フラフラしなきゃいいんじゃない!」
なんて、いきなり叫んだ私に周りの視線がさらに突き刺さるが構いなく、マネラルの両手を握る。
「ありがとう!!マネラル!スランプだった私の頭に神が……いえ、アイデアの紙が振り落ちてきたわ!!」
「……落ち着いてください。シャルネラ。何を言っているか分かりませんが……最初に言ったカミは神という字で2度目に行ったカミと言うじは、こっちでまちがいありませんか?」
なんて、わざわざ紙に書いて確かめてくるマネラルに頷きながらも私はマネラルから、画用紙を1枚貰いサラサラと幼稚な絵で忘れる前に描いたのだった。