社長の溺愛にとかされて
胸がどくん、どくんと、音を立てる。

好きな人に裏切られるのが怖い、
傷つくのが怖い、

好きだけど、付き合いたくない。

そんな反する二つの気持ちがせめぎ合い私を苦しめる。

怖い!怖い!怖い・・・!

・・・

・・・・・・・

でも!

今日の言葉が蘇る。

『自分が一番行きたい道、自分が一番後悔しない道』

(ここで慎也の手を取らないと、一生後悔する)

傷つきたくないと言う気持ちを、
無理矢理自分の中に押し込める。

(慎也が好き!)

自分に言い聞かせて、慎也を見る。

慎也も緊張しているのが分かる、必死で一生懸命で、
もうこんな人、一生出会えないかもしれない。

「3か月・・・・付き合ってみる」

絞り出したような声は、自分でもみっともない程震えていたけど、
それでも、慎也には十分伝わったようだった。
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