黒桜蝶〜夜桜に蝶が舞う時、私は恋をする〜
「おい!聞いてんのか?!」


「無視してんじゃねぇよ!」


…この人たちも可哀想な人たち。


人間はどんなに我慢しても、欲求というものには勝てない。


そして、開いた穴を埋めようとする。


心に出来た穴の原因、何を求めているのかわからず、そのイライラを他人にぶつけるのだ。


可哀想な人たち。


でも、それは私たち他人からしたら迷惑でしかない。


「おいっ!!」


「…もう帰ってもいいですか?」


「っ!!いいわけねぇだろうが!!」


だってずっと同じことを繰り返し言うだけだし。


耳にタコなんですよ。


「では、早くご要件を言ってください」


その言葉に男たちはニヤリと笑う。


どうしてこういう方たちはこういう笑い方しか出来ないのだろう。


本当に不思議だ。


それよりも、早くここから抜け出さないと。


倉庫で総長が待っているのだから。


でもこんなことをしているけど、この人たちは一般人。


なので、明日以降が怖いけど…。


もう逃げてしまえ!!


「あっ?!ちょっと待って!!!!」


誰が待つか。






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