黒桜蝶〜夜桜に蝶が舞う時、私は恋をする〜

｢｢いただきます｣｣


フォークで小さく切り、1口パクリと食べる。


｢美味しい…っ｣


口の中で抹茶の味が広がる。


苦くも甘くもなく、ちょうど良い甘さ。


抹茶がこんなに美味しいと感じたのは初めてだ。


｢良かった。…ん、本当に美味しいね｣


ニコリと微笑んだ後、ヒロさんは真剣な顔になった。




きっと、ここからが本題だ。


お茶にご招待というのは、本題である話のため。


ということは、他のみんなには聞かれたくないこと。


だからいつもいるはずの幹部が誰一人といないんだ。