嘘つき
毎日のようにやりとりをした。
そこでいろんなことを知った。
まず年齢はわたしより2つ上の24歳。出身は京都で、社会人になって東京にでてきたこと。銀行員で、将来は海外で活躍したいこと。
そして一番気になっていた彼女はいないということも。
もともとお店で話していた頃から少し感じていたけれど、とても向上心のある人なんだなと思った。
“理沙ってほんとかわいいよね。もてるでしょ?”
いつの間にか、呼び捨てで呼ばれるようになり、ため口になった。
でも別にそこまで気にならなかった。
“いやいや、全くもてないです”
“そうなの?意外”
“そういう翔くんはどうなんですか?”
“逆にもてると思う?”
“え、わかんないです”
“なんだそれ。てか理沙がほかの男の人と話してるのみると嫉妬するわ”
“それはお客さんなので、話しますよ”
そんな、恋愛の話も結構するようになった。