契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
第七章 元彼女に対する嫉妬
彼が彼女を好きなことを、わかっていながら、認めたくない自分がいた。
マンションへは帰らず、自分がどこにいるのかわからなかった。

彼は仕事が終わりマンションへ戻った。
私の姿はなく、彼はスマホを手に取った。

「亜実、どこにいる、なぜ携帯に出ないんだ」

私はスマホの電源を切っていた。
彼が心配していることなど知る由もなかった。

彼は必死に私を探していた、そしてマンションの公園で座っている私を見つけた。

「探したぞ、何をやっているんだ」

「ごめんなさい、私・・・」

「帰るぞ」

「はい」

彼は私の手を引っ張り、そしてマンションへ戻った。

「どういう事か説明しろ」

私はしばらく黙っていた。

「黙ってちゃわからない」

「柊さんは彼女さんが好きなんですよね」

「もう終わった事だ」

「終わった事?じゃあなんでキスしていたんですか」

「俺からしたわけじゃない、油断した」

「でも嫌ではなかったですよね、だってすごく好きだったんですよね」

「まさか嫉妬しているんじゃないだろうな」

「嫉妬しています」

「亜実」

彼は驚きの表情で私を見つめた。

「ごめんなさい、私・・・」

私はなんて事を口にしてしまったんだろうと後悔した、そして自分の部屋に入ってドアを閉めた。
心臓のドキドキが止まらない、どうしよう、愛してもいない契約の相手に責められて、彼はどう思っただろうか。

そんな資格は私にはないのに・・・







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