契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
次の朝、私は彼に謝った。
契約上の相手に責められ、その相手をさせられて私はなんて自分勝手なんだと反省した。

「柊さん」

「おはよう」

「あのう、昨日はごめんなさい、私、柊さんを責める資格ないのに、それに自分の気持ちばかり押しつけて・・・」

「責める資格はあるんじゃねえか、俺の妻なわけだし・・・もう一度言うけど俺からキスしたわけじゃねえから、それにもう終わってる」

彼は目を伏せて寂しそうだった、まだ彼女を愛していると感じた。

「でも亜実が俺に対して嫉妬してるなんて光栄だな」(すげえ嬉しい、俺もお前が他の男とって思っただけで嫉妬の炎に狂いそうだ)

「からかうのやめてください、恥ずかしいです」

彼は私の手を引き寄せキスをしようとした。

「柊さん、無理しなくて大丈夫です」

私は彼から離れた。

 (えっ無理じゃねえよ、可愛いからキスしたかったのに・・・)

「柊さん、早く支度しないと滝沢さんが迎え来ちゃいますよ」

彼はなぜか不服そうな表情で仕事に向かった。
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