契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
夕飯の支度をしていると、彼が帰って来た。

「お帰りなさい、もうすぐ出来ますから」

「亜実、ちょっといいか」

彼は私をソファに座らせて話を始めた。

「今日会社に飛鳥渉が訪ねてきた、亜実を返してもらいたいと言ってきた、断ったぞ」

「はい」

「それからもう一度言う、これが最後だから頭に叩き込んでおけ、彼女とはもう終わってる、亜実は俺の妻だ、別れる気はない、後、飛鳥渉ともう会うな」

「わかりました」

彼は私の手を引き寄せ抱きしめ、そしてキスをした。
私を抱き上げベッドルームへ向かった。

「柊さん、食事の支度が・・・」

「構わない」(亜実を抱きたい、愛してる、愛してる、絶対に誰にも渡したくない)

彼は亜実、亜実って何度も私の名前を呼びながら私を抱いた。

私は彼に不安を与えているのだろうかとふっと思った。
こんなにも情熱的に抱きしめてくれる、彼の気持ちは伝わってくるが、言葉には表してくれない、
どうしたら不安を取り除けるのだろうか。










< 26 / 52 >

この作品をシェア

pagetop