契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
渉と何もなく別れたはずのあの日のことが、週刊誌に桐生不動産社長夫人の不倫と掲載された。
マンションにも会社にも、週刊誌の記者が押し寄せ、大変な騒ぎになった。

「亜実、あいつと会ったのか?」

「偶然です、また会ったなって声かけられて」

「わかった、しばらく外には出るな、いいな」

「柊さん、ごめんなさい、私・・・」

「いや、謝らなければいけないのは俺の方だ、桐生不動産社長夫人のおかげで、ひどい目にあってるのは亜実だからな」

その時彼のスマホが鳴った。

『社長、滝沢です、大丈夫ですか?』

「大丈夫だ、とりあえず記者会見開くから段取り組んでくれ」

『かしこまりました』

彼のスマホは切れた。

「柊さん、私、どうすればいいですか?もう、柊さんの側にいることは出来ないですか?」

彼は私を強く抱きしめた。

「亜実、俺はお前を一生守ると誓った、俺の全ての気持ちを言葉にしたんだ、これでお前までが俺から離れたら、俺は・・・亜実は絶対に手離さない」

「柊さん」

彼は私に優しくキスをしてくれた。
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