契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜

私の一人暮らしが始まった。
いつまでもアパートの家賃を彼に払って貰うわけにはいかないと思った。

でも夜になると寂しい
スマホを手に取り、何度彼にメールをしようとしたか、そのたびに思い止まった。

だって彼は婚約するんだから・・・
私は彼と連絡してはいけないと自分の気持ちを封印した。

離婚届けを受理されたと報告に滝沢さんがやって来た。

「亜実さん、離婚届けが受理されました、それに伴って回収させていただくものがあります、身分証明書とクレジットカードとマンションのカードキーを回収させていただきます、スマホと指輪は持っていて欲しいとの社長からの伝言です」

「あのう、スマホはお返しします、連絡しないのに無意味だと思います」

「社長は、スマホを回収してしまうと連絡取れなくなるとおっしゃっています」

「だってもう連絡すること無いですよね」

「スマホを持って帰ると自分が叱られます」