契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
私はスマホから彼にメールをした。

【ちゃんと食事してくださいね、連絡取らない方がいいと思います、ご婚約されるとのこと、相手の方を大事にしてあげてください、今までありがとうございました、さようなら】

メールを送信して滝沢さんに渡した。

「これで大丈夫です・・・」

と言いかけた時、スマホが鳴った。

「社長からです、出てください」

『はい』

『亜実?何だよ今のメール、婚約なんてしねえしさようならってどういうことだ、スマホは持ってろ、いいな』

『スマホはお返しします』

そう言ってスマホの電源を落とした。
涙が溢れて止まらなかった。
すぐ滝沢さんのスマホが鳴った。

『滝沢、そこに亜実はまだいるか?』

『はい、おります』

『スマホ預かってくるんじゃねえぞ、社長命令だ』

『かしこまりました』

滝沢さんのスマホは切れた。

「持って帰ってくださいね、後アパートも解約してください、今日中に引っ越しますから」

「亜実さん」

私は手荷物だけ持ってアパートを去った。
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