契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
ある日のメモに彼は私と会いたいと残した。
まずいよ〜どうしよう。
しかも《今度ピーマンの肉詰め作ってくれ》とメモがあった、絶対私かどうか試す為だよ。
なんて返事すればいいの?
私は迷ったあげくスルーした。

彼は帰宅してメモがないことに気づいた。

 (えっ、やべえ、会いたいなんて言ったから引かれたか?絶対亜実だと思ったんだが、違ったか?いや、亜実以外考えられない)

《悪い、前回のメモ忘れてくれ、俺だけ気持ちマックスになった、クールダウンするからまた、返事くれ、もし良ければ電話で話したい》

そこには彼のスマホの番号が記載してあった。
電話なんかしたら私ってバレちゃうよ。

私はまたスルーした、しかも彼のスマホの番号が記載してあるメモは持ち帰らずその場に置いたままにした。
彼が帰宅し、メモが置いたままの状態をみてため息をついた。

 (電話もダメか・・・亜実に会いたい)

彼は募る思いを我慢出来ず、滝沢さんを呼び出した。

「何かご用でしょうか」

「ハウスクリーニングと食事を作ってくれる女性に会いたい、連絡先を教えろ」

「申し訳ありません、お教えすることは出来ません」

「何故だ?俺は雇い主だぞ、おかしいだろ、何処の誰だかわからない奴を雇い入れてるなんて」

「任せると仰って頂きました、身元も確実な女性です、ご安心ください」

「俺が会えない理由は何故だ?亜実だからか?」

滝沢さんは動揺を隠し切れなかった。

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