契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
「あら、柊、朝まで亜実ちゃんと電話していたんですって?」

社長は余計な事しゃべりやがってと言わんばかりに、私を睨みつけた。

「気づいたら朝だったんだ、早坂の相手してやっただけだ」(楽しくて時間を忘れた、初めてだ、亜実といると時間を忘れる)

やっぱりそうだったんだ、私は迷惑かけたなと反省した。
でもまたなってどう言う意味なんだろう?社長の言う事はやっぱり理解不能だ。

その夜スマホが鳴った、社長からだった。
どうしよう、なんで?もしかして忠告?もう私の相手は迷惑って事、でもなんか話せって社長から言ってきたのに、でも朝までとは誰も思わないよなあ〜と迷っているうちにスマホは切れた。

ちょっとほっとした、私だけ楽しかったんだからこれでいいよね。
またスマホが鳴った、社長からだ。

「はい、早坂です」

「寝てたのか?さっき電話したんだぞ、無視するな」

「無視なんてしていません、ご迷惑かと思って」

「俺からかけてるのになんで迷惑なんだよ」

「あっ、そうですね」

自分でおかしくなってくすっと笑ってしまった。

「変なやつだな、火曜日の食事のことだが、俺のマンションに来い」

「えっ、でも彼女さん急に来たりしませんか?」

「あっ、え〜と、来ないように言っておく」

「それって逆に疑われますよ」

「大丈夫だ、いねえから来ねえし・・・」

「はい?聞こえないです、なんですか?」

「いいから来い」

「わかりました」

「今日はこれで切るぞ、眠くて仕事になんねえからな」

「賛成です、おやすみなさい」

「おやすみ」(また明日お前に会えるのを楽しみにしてる)

スマホは切れた。
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