契約結婚の陰に隠された真実の愛〜言葉に出来ない気持ち〜
第三章 彼の抱擁
火曜日がやってきた。
社長のマンションってなんかドキドキする。
いきなり抱きしめられてキスなんて・・・無い無い、ある訳がないよ、あれだけのイケメン社長、しかも若いし、私みたいなおばさんを相手にしないよなあ〜

そんな妄想をしているうちに社長のマンションに着いた。
私は深呼吸をして部屋番号を押した。
オートロックマンションのエントランスのドアが開いて、社長の部屋に向かった。

社長はドアを開けて待ってくれていた。

「どうぞ」

「お邪魔いたします」

社長の部屋は割と綺麗に片付いていた。

「コーヒーでいいかな」

「はい」

社長はコーヒーを入れてくれた。

「店の予約18時だからもう少ししたら出かけよう」

「はい、わかりました」

私はソファに座り、社長が向かい側に座った。
コーヒーを一口飲む、社長はいきなり立ち上がり私の後ろに回った、やだ、どうしよう、ドキドキしてきた。

次の瞬間、後ろから抱きしめられた、心臓が止まるかと思った。

「社長?」

「亜実、俺の方向いて」

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