ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方




その月曜日の朝。
俺が気にしたくなくても気になってしまうふたりは
職員室のそれぞれのデスクにいた。

高島は生徒が提出していた3者面談の日程表をノートパソコンで入力作業。
八嶋はというと、部活の連絡ノートに赤ペンでスラスラと書き込み。
皆がいつもと変わらない朝。

モヤモヤした気持ちを引き摺らないよう
数学の教科書を開きながら今日の授業の進め方を頭の中で整理しようとしても
どうも集中できていない俺以外・・・は。


けれども

「入江先生、ちょっといいですか?」

『はい、なにか?』

眉間に皺をよせた教頭に呼ばれた昼休み終了直前。
その時は朝とは異なり、どうやらいつもの職員室と様子が違った。



「2年生の学年主任として、それと数学科のリーダーとして、キミに確認して欲しいことがあるんだが・・・」

『何を・・・ですか?』


教科書とチョークの入ったケースを抱えて教室へ向かおうとしていた俺。
一緒に職員室を出て廊下を歩きながら耳元でそう囁かれた。
多分面倒臭いことだろうと目をしかめずにはいられない。


「もうキミの耳には入っているか?高島先生と八嶋先生のこと。」

『・・・いえ、どういうことだか。』


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