ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
何があったのかをただ確認するだけなら、さほど難しくなんかない
ただ、それは私情を挟まなければの話だ
私情を挟まずに対応できる自信なんてない
彼らが目撃された直前、高島のことを八嶋に託したのはこの俺
その後どうなったか気にしたくないけど気になってしまっている現状だから・・・
でも教頭に確認すると言ってしまった手前
いくら自信がないとはいえ
どうやらその不安定な状況に決着をつけなくてはならない流れにしてしまったようだ
その決着の場は
いつもは気にならない時計の針がカチカチと動く音がやたらと耳につく放課後の数学準備室
どうせなら
やらなくてはならない授業の下準備とかをすればいいのに
なんか落ち着けなくて窓越しにゆっくりと沈み始めた夕日を眺めていた俺の背後から聞こえてきたドアを開く音。
「遅くなってすみません。」
先にやって来たのは八嶋だった。
丁寧に頭を下げた彼。
普段なら説教とか縁のない人間である彼に
あまり似つかわしくないその姿。
『いや、俺もついさっき来たばかりだから。』
彼を呼び出した俺自身でさえも
その光景に違和感を覚えた。
「そうですか。それで、確認事項って・・・」
『高島にも声をかけているから、それからにし』
「すみません!!!!!部活が長引いちゃって!!!!」
そしてもうひとり、俺が呼び出していた高島が息を切らしながらここに入ってきた。
とうとう集まってしまった3人。
広まりかけているかもしれない噂が
彼らの耳にも届いているのだろうか?
いつもは元気さが滲みでている高島の顔が
いつになく不安そうだった。