ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
これが新人歓迎会の帰りに
八嶋クンとあたしの間であった出来事全て。
「でも、新人歓迎会の帰り道。僕自身、後ろめたいことは一切ありません。高島先生のことを大切に想っていますから。」
あたしの隣でそう言い切った八嶋クン。
ここまで彼に言って貰えて、嬉しくないわけではないけれど
それでもあたしは自分がどうしたらいいのかを考えられなくて。
「大切に想う・・か・・・じゃあ、八嶋はどうやって生徒達を納得させる?」
「・・・・・・・・・」
入江先生はこんな時でも冷静にそう問いかけた。
さっきまでキッパリと言い切ってくれていた八嶋クンも入江先生の冷静さに返す言葉を失った
。
「高島のことを大切にしたいのなら、そういうことをちゃんとやらないと大切にはできるとは言えないんじゃないかな。」
更に八嶋クンを諭すように彼に語りかける入江先生。
それとは対照的に生徒達にどう説明したらいいのか考えられないあたし。
後輩の八嶋クンにも依存してしまっているあたし。
情けない
本当に情けない
八嶋クンの先輩という立場なのに
あたし、何やっているんだろう?
「聞かせてくれませんか?入江先生が僕の立場だったら、どう対応するのかを。」
「・・・・・どうだろうな。その立場になってみないとわからない。」
3人寄れば文殊の知恵
そういう諺があるけれど
出口が見えないこの騒動をどうしたらいいのか
わからない
さすがに教師としての経験が豊富な入江先生も
こういう騒動の収拾の仕方までは把握してはいないだろう・・・
出口が見えないこの騒動をどうしたらいいのか
わからない
『・・・・・・・・・』
立ったまま黙って彼らを見守ることしかできないあたしに入江先生が一歩近付いた。
今度こそあたしが
この騒動をどう対応したらいいのかを問いかけられる
八嶋クンに依存したままじゃダメだ
なんとか考えなきゃ
天井を見上げそう構えたあたしの体が
『ひゃ?!』
突然ふわりと浮いた。