ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方

そして彼女とのそんな関係を絶つ象徴のような保健室のドアを閉めた瞬間、
気がついてしまった。

傍にいて当たり前という気持ちは
高島のことを愛おしく想っているからこそ
抱くものであることを。


『今頃、気がつくとか・・・なんなんだ、俺は』


高島にスキだというベクトルの向きは自分で変えろと告げておきながら
いざ、そういう風が吹くと戸惑ってしまう自分に

年を重ねても
大切なことは失ってから気がつく自分に
さすがに嫌気がさす


『不器用すぎだろ・・・』


このまま
高島が導き出したベクトルの方向を見守ることしか
俺にはできないし

俺が彼女のベクトルの向きを自分のほうへ向けるように仕向ける権利なんてない

・・・この時の俺は不器用な自分を自ら変えることができなかった。



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