ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
『やっ、だってそれは、その・・・でも蒼井は入江先生がすごく期待していて・・・あたしなんか比じゃないぐらい。』
「入江先生にバレーで期待されているのは自分でもわかってました。でも、怪我をしてバレーができなくなって・・・・期待に応えられない自分が情けなくてバレー部を辞めたんですけど・・・・辞めてから気が付いたんです。」
『・・・・・・・・・・』
「入江先生との接点はバレー部しかなかったんだって。」
聴いていて心が痛んだ
蒼井は入江先生から期待されていることを自覚しすぎていて
怪我をした時の彼女は彼の期待に応えられない自分に見切りをつけることが精一杯だったことを知ってしまったから
だから
蒼井は入江先生が彼女に対して期待以上の感情を抱いていたことを知らずに入江先生の前から消えたんだ
自分が彼のことをスキだということを伝えることなく・・・
『でも、蒼井がバレー部をやめてからも入江先生は蒼井のことをずっと気にかけてた・・・』
「それは教師として怪我をしたあたしのことを心配していただけだと思います。」
『そんなことない。入江先生は蒼井のことを本当に大切』
「この前、入江先生にお会いした時、痛いほど感じたんです・・・充実していらっしゃるんだなって。」
蒼井はあたしの言葉を遮るようにそう言った。
まるでそこには触れて欲しくないような空気を醸し出しながら。
『・・・・・うん、まあ、昇進したりしてるからかもね。』
だから、あたしは蒼井の言葉の流れに応えることにした。
入江先生が充実しているように見える要因として思い当たることを口にして。
でも、蒼井から返ってきたのは
「それだけじゃない・・・私はそう感じましたが。」
『へ?』
「今もなお・・・・高島先輩の影響か・・・と。」
まさかの “あたしの影響” という言葉。