ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方

元教え子で、現在は同じ数学教師の後輩として心配してくれている故の発言なんだろう

スキという気持ちを諦めきれない相手の口から出た言葉によって
改めてこの気持ちをどうにかしなきゃと思わされる


『あたしもいい年だし、心配してくれてるんだよね・・・入江先生・・・・』


あたしがついポロリとこぼしてしまった言葉を聴いてくれていたらしい蒼井はこっちをじっと見つめて首を傾げた。


「・・・・・・心配という感じじゃなかったですけどね。」


どういうこと・・・?


先輩のひとりとしてあたしの将来を心配してくれているのではないのならば

どういうことなんだろう?


"次はあたし"って

入江先生がどういう意味でそう言ったのか
もうこれ以上想像できないよ



『・・・・・ど、、、どんな感じ?』

「なんとかしなきゃ?・・・・みたいな?」

『・・・・なんとかしなきゃ、か~。いい年してフラフラしてるからかな・・・』


あたしをじっと見つめたまま、目を見開いた彼女に
今度はあたしが首を傾げた。

そんなあたしがおかしかったのか
蒼井はふっと笑いをこぼす。


「あっ、ごめんなさい。つい。先輩、気がついていらっしゃらないみたいだったんで。」

『・・・気がついてないって?』


気がついていないという言葉でもっと不安になったあたし。

相当情けない顔をしていたのだろうか?
蒼井はニッコリと優しい顔で笑いかけてくれた。


「入江先生が幸せにしてあげたい・・・・ということなのでは?」

『・・・・・誰を?・・・蒼井じゃなければ誰を・・・・』


自分でもハッキリと自覚した。
情けない声で蒼井に問い詰めてしまったことを。


< 125 / 202 >

この作品をシェア

pagetop