ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
∑7:心のタイムリミット
【∑7:心のタイムリミット】 *数学教師:入江目線
残業入力など残っていた事務仕事を片付け、駐車場に向かう。
いつもここにあるはずの高島が乗っている深紅の車の姿がなかった。
『ちゃんと病院に向かっているといいんだけどな。』
辺りはすっかり暗闇に包まれていて、冬ならば透き通って見える駐車場の電灯の灯りも春真っ盛りの今はすこしぼやけて見える。
『足、大丈夫なんだろうか。結構、腫れてたよな。』
高島の様子が気になるも、彼女が自分で病院へ行くと言った手前、付き添うわけにはいかなくなった俺はまっすぐ自宅へ帰ることにした。
車の鍵を開けようとスラックスのポケットの中に手を入れたが、そこにはスマートフォンしか入っていない。
『デスクに忘れてきたか・・面倒くさいけどしょうがないな。』
自分自身の行動に対して悪態をつきながら、職員室に向かう途中、手持ちぶたさで何となくそれを取り出した。
緑色の点滅しているランプについ目をしかめる。
LINE?
誰だ?